Windows ServerにはDFS(Distributed File System)と呼ばれる機能があります。日本語では分散ファイルシステムとなります。主にDFS名前空間とDFSレプリケーションという機能に分かれます。これらの機能を使う事で可能となることを紹介します。
DFS名前空間
DFS名前空間を使うと複数のファイルサーバーに分散している共有フォルダを1つのルートパスで共有することができるようになります。例えば次の様に共有フォルダが設定されているとします。
サーバー名 | 共有フォルダ名1 | UNCパス |
---|---|---|
\\server1 | share1 | \\server1\share1 |
share2 | \\server1\share2 | |
\\server2 | share3 | \\server2\share3 |
share4 | \\server2\share4 |
DFS名前空間を使うと、これらの共有フォルダを次の様なパスでアクセスできるようになります。
- \\example.com\share1
- \\example.com\share2
- \\example.com\share3
- \\example.com\share4
これにより次の様なメリットが生まれます。
DFSレプリケーション
指定した共有フォルダ間でデータを双方向同期出来ます。リアルタイムで同期され、ファイルが更新されたときもファイル全体ではなく差分のみが転送されるので高速という特徴があります。用途としては主に2つあります。
バックアップの取得
メインとなるファイルサーバーからサブとなるファイルサーバーへ一方行に同期させ、サブのサーバーでバックアップを取得する。こうすることでメイン機に負荷をかけることなくバックアップを取得することが可能になります。故障に対してはサブのファイルサーバーだけで十分かもしれませんが、ランサムウェアなどには無防備なのでちゃんと別途バックアップも取得することが望ましいです。
負荷分散
DFS名前空間とDFSレプリケーションの両方を活用し、同じファイルパス(例:\\example.com\share\test.txt)でも拠点1のPCからアクセスしたときは拠点1にあるファイルサーバーへアクセスさせ、拠点2のPCからアクセスしたときは拠点2のファイルサーバーへアクセスさせることが出来ます。また、片方のサーバーが落ちた時には生きているサーバーにアクセスさせられるので可用性の向上にも繋がります。
設定手順
以下の記事で具体的な操作手順を紹介しています。